先日、本と絵画の800年展に行った際に、マルク・シャガールの「ダフニスとクロエ」の連作が展示されていました。
“ふらっと”に「ところでダフニスとクロエってどういうお話?」と訊かれて、「昔のギリシャが舞台の、拾われっ子同士の若い男女の恋物語」くらいしか答えられなかったのが悔しくて、岩波文庫「ダフニスとクロエー」(ロンゴス作/松平千秋訳)を読んでみました。
ギリシャのレスボス島で、山羊飼いと羊飼いそれぞれに拾われた男女の捨て子が、仲良く育つうちに恋が芽生えていくお話でした。のちに肌着などに添えられた品々から良いところの子女と分かり、実父母と再会し、養父母ともども幸せに暮らしましたというハッピーエンド。大まかな認識は間違っていませんでしたよ。
巻末の解説によると、ギリシャからローマに覇権が移った紀元前後から5世紀頃に、庶民向けの娯楽としてギリシャ語で恋や冒険を描いた物語がたくさん作られたそうです。そのうち、ほぼ全編が残っている5つの物語のうちの一つがこの「ダフニスとクロエー」。この物語が作られたのは2世後半~3世紀前半とのこと。冒険譚が多い中、牧歌的な恋物語で冒険要素はちょっとだけというのは、他の4編と異なる特徴だそうです。
ルネッサンス以降にギリシャ小説が絵画や音楽の題材にされることが多かったそうで、冒頭のシャガール以外にも多くの画家が描いています。
この本の挿絵はピエール・ボナールです。
こちらは奥さんではなくクロエの入浴シーン。(ボナールは奥さんの入浴シーンの絵が多いのです。)
そして、音楽と言えば、吹奏楽コンクールでも第2組曲が定番曲となっているラヴェルです。
中学の頃に吹奏楽部でコンクールの自由曲として演奏しましたが、クラリネットの12連符に泣かされた記憶が...
ちょうど先日のEテレ「クラシック音楽館」でN響定演の全曲演奏が放送されていたので、「なんとタイムリーな!」と観てました。指揮はトゥガン・ソヒエフ氏、とても楽しそうで良いです。
苦い思い出がよみがえるのでこの曲のCDは持っていなかったのですが、改めて聴くとやはり良い曲なのでCDも購入しました。
こちらのCDは1962年の演奏ですが、今でも名演といわれるものだそうです。
そして、ネットでダフニスとクロエのCDを検索していたらこんなものを発見!
20年以上前にリリースされていたらしいですよ。関係者しか欲しくないよねぇ...
既に廃盤でしたが、amazonのマーケットプレイスで見つけて、せっかくなので購入してみました。
この歳になって中学時代の自分たちの演奏を聴けるって驚きですが、演奏してから一度も聴き返したことがなかったので、ちょっと心の準備が必要でした。当時はいっぱしに上手いつもりでしたが、まぁ所詮は中学生の演奏ですね。(^^;)
上手いとか下手とかじゃなくて、青春ですねぇ。なんか、響け!ユーフォニアムを見返したくなってきました。
(byぶらっと)
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