最近読んだミステリー3冊
本屋さんの店頭でなんとなく選んだ3冊の感想など。
「恋する殺人者」(倉知淳 著・幻冬舎文庫)
軽めの日常ミステリーですが、死者は出るタイプです。
ぶっちゃけ序盤のミスリード一発勝負という感じ。
違和感を覚えながらも軽い文体につられて読み流したおかげで、まぁまぁ引っかかった感は楽しめました。
本気で見破ってやろうと構えて読んだらダメなヤツですが、そう思わせない文体とセットで成立している作品と思います。
「あさとほ」(新名智 著・角川文庫)
ミステリー調のオカルトもの?
超常現象が好きな人なら良かったのでしょうけど、ミステリーと思って読んでいたのに「怪奇現象でした」で片付けられてしまってガッカリ。
ちょっとジャンルを見誤りました。古典文学の研究をしている大学生が主人公ということで、実在する古典と絡めているだけに残念な気持ちが倍増でした。
「一次元の挿し木」(松下龍之介 著・宝島社文庫)
2025年「このミステリーがすごい!」大賞の文庫グランプリ受賞作。さすが、大賞受賞を争った作品です。
謎の提示の仕方や伏線の回収など、読み応え十分でした。
ただ、解説では高評価だった視点切り替えの節見出しの付け方が深読みを誘うようで集中を途切れさせられたのと、重度障害からの回復経緯が書かれていないことが非常に気になりました。
作家デビュー作とのことですが、次回作も期待です。
なんとなくの表紙買いで、1勝1敗1引き分けという感じでしょうか。
もう少し慎重に選ばないとロスが大きいですね。
2025年の「このミス」で大賞となった「謎の香りはパン屋から」も気になっていた作品なので次はそちらも読みたいのですが、大賞受賞作は気軽に文庫にしてくれないので、しばらくは文庫化待ちです。
(byぶらっと)
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