星を継ぐものシリーズ
ホーガンの「星を継ぐ者」のタイトルを知ったのは高校生くらいだったと思います。が、当時はとっつきにくい感じがして、読まずじまいでした。
2年くらい前でしょうか、日本語の翻訳版がずっと未刊行だったシリーズ最終巻が出ることになったとのニュースを見て、「じゃぁ、最終巻が出る頃までにシリーズの最初から読み始めて、追いついておくか」という気になりました。
そして、昨年末に発売となった最終巻をやっと読み終わりました。
数万年、数億年を跨ぐ壮大なストーリーは、宇宙や並行世界までも股に掛け、最後は綺麗に集約されます。その辺は最終巻の解説に、シリーズ全体の要約が記載されていて整理しやすいのも助かりました。
SF要素は読み手によって受け取り方も異なると思いますが、個人的に面白かったのが「過去を変えたら現在は変わるのか」という、いわゆるタイムパラドックス問題でした。
このシーズではマルチヴァース世界となっていて、過去に行って歴史を改変したら、そこから世界戦が分岐するだけ。出発した元の時代に戻っても過去は変わっていないのです。改変された過去から分岐したマルチヴァースではそこから新たな歴史が始まりますが、それはその世界線の歴史となります。バック・トゥー・ザ・フューチャーやシュタインズ・ゲートのような未来が変わるものに慣れていたので新鮮でした。
発行元も最終巻に向けて表紙をリニューアルして改訂版を出したり、Twitterで記念イベントを行ったり、力を入れていました。新旧とも加藤直之氏のイラストですが、最終巻以前までは長年(読みもしないのに)書影で親しんだ旧表紙を駆け込みで購入しました。
リアルタイムで読んでいたら半世紀近く、しかも最終巻だけで出版から翻訳待ちに20年近くというシリーズでしたが、2年くらいで一気読みできたのはある意味幸せでした。
さらに、先週たまたま目にしたのですが、ポンペイの噴火で炭化したローマ時代の巻物を現在の記述で開かないまま読み取ったというニュースがありました。
正に「星を継ぐもの」の物語の発端となった「本を閉じたままスコープで中を読める」技術が、現代に実現したというのはすごいことです。
(byぶらっと9
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コメント
最初の巻辺りは表紙覚えてるんですが
なんか 頭がこんがらがりそうで手を出してないんですよ(;^_^A
投稿: ねこ | 2025年2月17日 (月) 14時10分
ストーリーは楽しめましたが、SF要素は一部難しく理解が追いつきませんでした。
同じJ・P・ホーガンなら「創世記機械」の方が分かりやすくて面白かったです。
=> http://flat-brat.cocolog-nifty.com/garden/2023/08/post-55c170.html
投稿: ぶらっと | 2025年2月19日 (水) 00時27分