災厄の絵画史 読了
中野京子さんの本が続いていますが、こちらは自分で購入です。
絵画のテーマは色々ありますが、神罰や疫病、天災・人災などの絵は、展覧会でも見ることが少ないです。そうした知らない絵と、それにまつわるお話を期待していました。(^v^)
本の表紙はジュール・エリー・ドローネーの“ローマのペスト”です。
天使(右手に正義を表す剣を持っている)が悪魔を使ってペストによって人間を死に至らしめているところです。天使=正義じゃないし、疫病は天(神)からもたらされているという西洋の考え方が表れています。
天使の浮遊感や悪魔が槍で扉を打とうとする瞬間が恐怖を煽ります...怖いわぁ。(((( ;゚д゚))))
一見バカ騒ぎをしている集団のようにも見える絵ですが、これはピーテル・ブリューゲルの“死の勝利”という怖いタイトルです。
ペスト禍で描かれた絵です。さっきの“ローマのペスト”は、実は19世紀の絵で、当時はコレラ禍だったそうです。
ブリューゲルらしい骸骨の滑稽さは笑えるのですが、内容は結構無慈悲。(^^; 老若男女構わず死が訪れています。
こちらは珍しい山火事を描いている絵で、ピエロ・デ・コジモの“森の火事”です。ルネサンス期の画家であるコジモは、同時代人から変人と呼ばれていたとか。絵もユニークなので、今度じっくり調べたい画家です、
この絵で気になったのが人面豚と人面鹿です。この時代“獣姦”の結果生まれると思われたらしい。驚きですが狩猟民族には、そういう嗜好がままあるらしい。(-"-;A ... なので、ヨーロッパには“獣姦”の刑罰が今もあるとか。色々と衝撃的な内容でした。(゚ロ゚)
怖くない絵もあります。イアサント・リゴーの“ルイ15世像”は、『美王』の名にふさわしい美しい肖像画です。『ベルサイユのばら』で読みましたが、天然痘で亡くなります。
この時代、人痘法は発見されていました。しかし、人痘接種はその後に発症した場合の死亡率が2%と高く、普及しなかったそうです。自然発症では死亡率50%とのこと。
それがルイ15世が天然痘で亡くなったため、為政者も他人ごとではないと急激に普及したとか。ルイ15世唯一の功績か・・・。
神々による災厄、ペストやコレラなどの疫病、洪水や噴火などの自然災害、そして戦争。あまたの悲劇がどのように描かれてきたかを知る本でした。とても面白い(面白いと言っていいのか?)本でした。お薦めですよ~。( ̄∀ ̄;)
(byふらっと)
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