自転車のヘルメット努力義務化に思うこと
1980年代、高校生の頃の愛読誌が「サイクルスポーツ」というサイクル野郎でした。当時の自転車ブームは今と違ってランドナーに荷物を満載しての、のんびりとしたキャンプ旅が主流でしたが。
ちょうどその頃「そろそろ安全性を考えて自転車も自主的にヘルメットを着用した方が良いのでは?」という話題が掲載されていました。
それから40年近く経った2023年4月1日から「努力義務」という半端な形で法整備されたわけですが、その経緯を考察した興味深いnoteを読みました。
それによると、電動キックボードを普及させたい業界団体が「原チャリと同じ規制では普及が進まない。自転車と同程度の速度なんだから、法規制も自転車と同レベルにしろ」とゴリ押ししたそうな。だからといって電動キックボードをノーヘルOKとは言えないため、「じゃぁ自転車もヘルメット義務化してしまえ」と乱暴な結論に至った様子。中を取って自転車も電動キックボードも「努力義務」に落ち着いたようです。
いや、ちょっと待てと。電動キックボードの無法ぶりを見ると、本当に自転車と同じ無免許・ノーヘルで良いのかと。
逆に、自転車の傍若無人ぶりから見ても、自転車を免許必須に揃えた方が良かったんじゃないかと。
法施行の直後は自転車事故におけるヘルメットの有無による生存率の違いがニュースなどでピックアップされていましたが、そもそも事故に遭わない対策がおざなりじゃないかというのが最大の疑問です。
事故に遭って致命傷を負う確率を取り沙汰するより、無謀な自転車と安全運転する自転車の事故率から解析してほしい。
信号無視、無灯火、傘さし、ヘッドホンやスマホ使用、車道の右側走行、歩道の爆走、複数台の並走、車道と歩道・車用信号と歩行者用信号を都合良く使い分ける、枚挙にいとまがありません。そして大概の無謀運転自転車はこれらを複合技で使います。
スクランブル交差点を歩行者と一緒に渡るなら降りて押せ!と思うこともしばしば。一時停止でバイクのように止まって足を付けとまでは言いませんが、まったくスピードを落とさずノールックで突っ込むとか、右折するときに視界が遮られる道路の右端に寄ってショートカットするとか、死にたくてやっているようにしか見えません。(たぶん本人は危険性を理解していないだけでしょうけど。)
事故に遭って致命傷を負う自転車のうち、どの程度が無謀運転なのか分かりません。が、それらを撲滅した方がヘルメットよりよほど効果があるんじゃないかと思うわけです。
その上で、万が一を考えて自主的にヘルメットをかぶるというのは大事なことだと理解はしています。
が、現状を放置したまま「努力義務」などと押しつけられると、バカバカしくて相手にする気になれません。
以上、ヘルメットをかぶらない言い訳でした。\(^o^)/
2015年6月1日から自転車の傘さしやヘッドホン使用が厳罰化され、レインウエアが爆売れしたのも記憶から薄れつつあります。取り締まりが強化されたのは初めの1カ月くらいで、その後は元の木阿弥状態。ヘルメットも今は品薄らしいですが、すぐに忘れられるんじゃないでしょうか。
先週の土曜日、車のドライブレコーダーからの画像です。
車線が狭く、晴れた日でも自転車で車道を走るのが怖い国道20号線にて。
こちらは多磨霊園に近い、車同士のすれ違いも大変な狭い道で、傘さし&右側逆走。
これで事故ってもヘルメットかぶってれば死なないかもって、順番が違うよねぇ...
(byぶらっと)
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