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2023年3月23日 (木)

画家とモデル 読了

友達が読み終わったからとくれた本『画家とモデル』です。芸術新潮に連載されていたシリーズの文庫版です。現在連載中の“名画に見る悪の系譜”がいつ文庫化されるか、大体の予想が付きます。つまり約5年後・・・。orz

さて、この本では画家とモデルの関係から画家自身の環境、内面などが語られています。エピソードとして知っていた話もありますが、さらに深く語られていました。
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例えばサージェントの“マダムX”の酷評は知っていたけど、時代的にまだセクシャルに映ったのだろうくらいに思っていました。それがフランス貴族(お金はないが由緒正しい)のアメリカ富豪(金持ちだけど生まれが)への偏見や差別もあったとは思っていませんでした。そういうのはイギリスvsアメリカかと思ってた。(^^;
この絵は好きなんで、修正してしまったのが残念でなりません。元の状態が見てみたいです。
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ベラスケスが描いたこれらの絵も好きです。彼は宮廷画家として活躍していたけど、そこに窮屈さも感じていたのは知っていました。それは世界中を飛び回ってヌードも描き放題のルーベンスを羨ましがっていたというような笑い話的な意味でです。
しかし、自身の出自(祖父がユダヤ人)を隠し異端審問に怯えていたのは知らなかったです。
ベラスケスやホルバインのように、成功しているようで教会や君主を恐れていた一面も初めて知りました。
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絵は見たことがあっても画家の名前は初めて知ったというのも。タマラ・ド・レンピッカもその一人です。この女性の理想の生活(大金持ち)を求めて学び・働き・のし上がるバイタリティーが凄かったです。
ヴァラドン(ユトリロの母で画家)もそうだけど、女性の強さはどこの国も同じだなと思いました。
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中野京子さんの本は(絵画関係の本としては)ダントツの売り上げだと山田五郎氏が言っていました。わかる気がします。(^^; 取っつきにくいと思われる絵を、気になる単語(怖いとか残酷など)で引き付け、そのエピソードが面白く且つ分かりやすく書いてあります。
解説がその国独特な部分は、日本に置き換えた例えが使われているところがホント好き!急に身近に感じるというかストンと納得できます。この本もとても面白かったです。(^v^)

(byふらっと)

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