本と絵画の800年展
練馬区立美術館で開催中の『本と絵画の800年-吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション-展』に行ってきました。
中世の写本は、まだ印刷技術のない時代の本なので、全てが手書きです。文字(フォント)も工夫されているし、挿絵や装飾、飾り文字も美しい。内容は読めませんが、もう絵画の域に達していて、見ているだけでも楽しいです。
“第1章ヨーロッパ中世・ルネサンスの美しい本の世界”は、一部を除き写真撮影できます。
どれも小さいので単眼鏡が必須です。でも、それとは別にハズキルーペも欲しかった。f(^^; 近眼+老眼はね~この距離感が苦手なの。orz
驚いたことに当時の時祷書の挿絵用版木(写真はペストに苦しむ時代の、死の舞踏を表現)が展示されていました。とても綺麗な状態で残っていたのでびっくりです。刷った紙も展示してほしかったな。(^^;
展示で種類別の羊皮紙があって触ることが出来ました。やったー!\(≧U≦)/ 山羊の白さと薄さに驚いた。そしてどれも少しツルツルした紙のように感じられました。もっと動物感のある紙(みたいなもの)かと思ってました。(^^;
他にも書字道具(顔料・羽ペン・金箔など)と作業机が再現されていました。写本がどのように行われていたのか、想像できてよかったです。
“第2章近代における書物:美しい本が芸術となるまで”では、産業革命後、安価で大量生産されるより、少数でも質が高く芸術性のある本を作る小規模な印刷会社が出来ます。
そのひとつエラニー・プレス(カミーユ・ピサロの息子が作った会社)の貴重本が多く展示されていました。
時代的にラファエル前派の挿絵やボードレールの“惡の華”など、読めないながらも知っていたりして時祷書より身近に感じます。(笑) またアールヌーボーの装飾も綺麗でした。
“第3章本と絵画で見る日本の芸術”は、鏑木清方や上村松園、渡辺省亭、東山魁夷などなど、日本人画家の作品がたくさん。「あれ?今日は何の展覧会だっけ?」と一瞬分からなくなりました。(笑)
名だたる洋画家が絵を提供した『暮らしの手帳』のふろく(ぬりえ)にはびっくりしました。勿体なくてぬれないよ。(笑)
第1章と第3章のギャップに混乱しましたが、内容の濃い展覧会でした。面白かったです。
(byふらっと)
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