なめらかな世界とその敵

書店でたまたま表紙に惹かれ、裏の書籍紹介を読んだら「ハーモニー」へのトリビュート短編も収録されているとのことだったので購入しました。
「なめらかな世界とその敵」(伴名 練著)です。この方の本は初めて読みましたが、SF短編としてとても楽しめました。舞台設定も物語の展開も想像以上でした。

あとがきで作者の方が子供の頃から読んできた数多の小説を紹介していました。これだけの読書量ゆえに、こんなに面白いお話しを掛けるのかと感心しました。

その中で、森薫展で購入して直前に読んだ短編集「あなたの人生の物語」の中の「顔の美醜について」の設定「美醜失認処置(カリーアグノシア)」も作中に登場しました。読んでないからわからないだけで、ほかにもSF名作から引用しているものもありそうです。

「あなたの人生の物語」ですが、こちらも短編集でした。でも、私の感想は「イマイチ」。いくつかのお話しは星新一氏のショートショートで読んだような題材と類似性を感じ、ショートショートの歯切れ良さと比べて「くどい」と思っちゃうのは否めませんでした。

まぁ、本の感想なんて個人の好みや読んだときに心境にも左右されるので、どちらもあくまでも私の感想ですが。

この作家さんの別の作品も読みたいと思いましたが、ホラーだったり電子書籍限定だったり短編の編纂だったりで、ちょっと手を出しにくいのが残念です。

(byぶらっと)