THE GREATS展
東京都美術館で開催中の『THE GREATS -スコットランド国立美術館 美の巨匠たち-展』に行ってきました。
スコットランド国立美術館のコレクションの中からルネサンス期、バロック期、グランド・ツアーの時代(ロココ期)、19世紀の作品90点が展示されています。
かなり魅力的な内容ですが、先日まで来ていた『メトロポリタン美術館展』と内容がほぼ丸かぶりになりました。そうなると珠玉の作品群も妙に見劣りするというか・・・。(^^;
図録の表紙はジョシュア・レノルズ“ウォルドレイヴ家の貴婦人たち”
「それぞれの時代に数多くの画家がいるんだから、そんな意地悪い見方をしないで!」とセルフ突っ込みをしつつ作品を見てきました。
さすがにラファエロやティツィアーノが習作やチョーク画だと「やっぱ負けたね」みたいな感じにもなります。(^^; でもヴェロッキオ(帰属)やエル・グレコなど「いいもの見たな!」っとも思ってます。
ラファエロ“魚の聖母のための習作”。図録には完成版も載ってます。
20歳前のベラスケスの大作“卵を料理する老婆”は必見でした。これが見られただけでも来た甲斐があります。
また、アダム・エルスハイマーという画家に出会えました。“聖ステパノの石打ち”は、34.7×28.6cmというサイズですが、その中は緻密に描き込まれていました。
アダム・エルスハイマーはルーベンスと友人だったらしい。
ロココ期は、ジャン=アントワーヌ・ヴァトーやフランソワ・ブーシェと言った作品の中に、トマス・ゲインズバラ、ジョシュア・レノルズ、アラン・ラムジーなどイギリスの画家が登場します。
イタリアやフランスの絵画から学び、そこにイギリスらしさも加わってく過程を見ることが出来ます。
アラン・ラムジー“シャーロット王妃とその子供たちのための習作”
そして19世紀のジョン・コンスタブルやウィリアム・ターナーへ続き、ラファエロ前派のジョン・エヴァレット・ミレイへと流れて行くのかな・・・とそれぞれの作品を見ながら思っていました。
エドワード・アーサー・ウォルトン“黒い雄牛”。なんか気に入った。
19世紀は印象派やポスト印象派の作品が多く来ていました。この辺りは安定の作品群でしたが、目玉はポール・ゴーガンの“三人のタヒチ人”ですね。
タヒチの人を描いただけのようでいて「美徳と悪徳の間の選択」のようになっているところがミソです。ヘラクレスの寓話で、美徳を選択するお話ですが、この絵では悪徳の方に顔が向いているのも意味深でした。
最後は、アメリカ人画家フレデリック・エドウィン・チャーチの“アメリカ側から見たナイアガラの滝”でした。実はこの絵を見てみたいと前から思っていて、思いがけずこうして見る機会が得られたことが嬉しかったです。
フレデリック・エドウィン・チャーチ。
予想以上に見応えがあって、大満足の展覧会でした。でも、旦那さまはイマイチだったようです。(^^; あまりイギリス絵画が好きではないようです。
でも、今回はイチ押しが出ました!クロード・モネ“エプト川沿いのポプラ並木”です。「持って帰りたい」と言うほど気に入ったようです。(笑) ポプラ並木は23点の連作なので、他のも気に入るかも知れません。観る機会があるといいですね。
クロード・モネ。
(byふらっと)
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