今村紫紅 読了
最近の自分の読書はオカシイ。その極みかと思うのが今回の今村紫紅です。
今村紫紅は明治から大正期の日本画家ですが、どんな絵を描いたか知りません。まだ1枚も見たことがありません。(^^; その画家の伝記をなぜ読む気になったのか...。時間が経ったら自分でも分からなくなってきました。orz 他の本で“日本画初の印象派”とか“若くして亡くなった”とかで気になったからだと思います。(^^;
表紙は友人の安田靫彦による追悼展覧会に描いたもの。
読んでみたら面白かったので、まぁ後悔はありません。
日本画をどのように修行したかとか、同人を集め切磋琢磨して技量を磨いていく過程がよく分かりました。それは今のように学校で勉強するのとは違うので、新鮮でした。
時代的に岡倉天心が東京美術学校を設立したり日本美術院創設したりする、日本の絵画芸術黎明期でした。なので、日本画とは芸術とはを模索し、人と正面切って対立していた頃です。人間関係も大変そうでした。(笑)
左が安田靫彦、右が今村紫紅。
しかし、一番はお金がないことかもしれません。お金がない→研究して大作を描きたいが描けない。→とりあえず売るための絵を描く→売る機会がない。と負のスパイラルに苦しんでいました。まずは資本だと言い切るのは当然だと思います。これは原富太郎(原三渓)というパトロンを得て解決しました。確かにそれからの画業は円熟期だったと思います。
日本美術院が五浦に移った時、安田靫彦の仲介で天心に会いに行った。
面白い逸話では、絵を描く研究のためにインドに渡航しますが、パスポートに不備があって上陸許可がおりなかったそうです。ずっと船上から陸を眺めて絵を描いていたとか。当時の海外旅行は今よりずっと大変だし時間も掛かることを思うと、なんだか気の毒でなりません。
とにかく大酒飲みで豪放磊落の人柄は、周りの人に慕われたようです。結果、お酒のせいで早世されたようですが。いつかこの人の絵を見てみたいと思います。どこで見られるでしょうね。(^^;
(byふらっと)
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