小早川秋聲-旅する画家の鎮魂歌展
東京ステーションギャラリーで開催中の『小早川秋聲-旅する画家の鎮魂歌展』に行ってきました。以前読んだ『日本画とはなんだったか』で、戦争画(彩管報国)で上がっていたのが、小早川秋聲でした。展覧会の予告を見つけたので、開催されたら行ってみようと思っていました。
旅する画家とされるのも頷ける。国内のみならず、中国・インド・エジプト・ヨーロッパから北米まで!大正という時代を考えると凄い事だと思います。その時のスケッチを見ると、精力的に描いていたのが分かります。特に“絲綢之路(シルクロード)”という屏風は、一番のお気に入りです。
初期の歴史画(中国の古典)より、こっちの方が好きです。この頃の作品は“恋知り初めて”(絵ハガキ)もそうですが、心がそわそわ・わくわく・どきどきするような作品でいっぱいです。
その後、従軍画家として戦地に何度も行くことになります。戦場を描写する絵ですが、過酷な場所でのひとときの安らぎやひたむきさなど、静謐な絵が印象的でした。
“國之盾”も最初は“軍神”というタイトルで、軍から受取拒否され、何年も経って今の絵になるのですが...。そこまでの心情のようなものが察せられます。
戦後は仏画を多く描き、“天下和順”(3枚目写真中央)にその心情が集約されてるのかもしれません。
一旦は忘れられた画家らしいですが、近年再評価されているそうです。今回の展覧会で終わらず、これからもまだ見ていない作品を含め、何度も見ることが出来るといいなと思います。
とてもいい展覧会でした。(^v^)
(byふらっと)
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