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2021年2月23日 (火)

美少年美術史

先日の「官能美術史」の続編で、また電車の中で読みにくい本を読みました。竹宮惠子カレイドスコープ展で購入したものです。
今度は美少年ですよ。
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BL↑やオネショタ↓が満載で、ストレートなエロの「官能美術史」よりも周囲の目が気になります。
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ジムの語源「ギュムナシオン」とか、シンポジウムの語源「シュンポシオン」とか、今日では純愛を示す「プラトニック・ラブ」とか、どれもこれもBL社会の怪しい関係から来た言葉とか。
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美少年を取り上げた作品ばかりでなく、カラバッジョやミケランジェロなど同性愛の芸術家による作品も紹介されています。
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カラバッジョの好きなタイプの少年として有名な絵とかね。

「美術史」としては、古代ギリシャで美少年が題材になった文化的背景から始まり、英雄や芸術家の同性愛、宗教上の禁忌、一神教のキリスト教がルネサンスでギリシャ・ローマ神話の多神教と折り合いを付ける過程など、興味深い話が続きます。
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それにしても、これはマズい気がします...

筆者曰く、少年を取り上げた風俗画というのは古代ギリシャで既に発祥し、オランダで裕福になった庶民が家族を描いてもらったりチャリティで一般の少年を描いた絵を購入するようになったところまでで完成しているそうです。それ以降は印象派だのキュビズムだの技法的な変遷はあっても、現代のアニメまで含めて完成した少年風俗画のバリエーションでしかないと。これは面白い考察でした。

あ、もちろん筆者の大好き(?)なブグローの絵は、今回もたくさん収録されています。表紙もブグローですし。
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一人の筆者の本ばかり読むと、画家の知識が偏りそう?

後書きによると「官能美術史」と「美少年美術史」の間に、同じ著者による「残酷美術史」なる本もあるそうです。でも、「怖い絵」はさんざん読んだので、amazonの関連図書で出てきたやはり同じ著者の次の著書「美少女美術史」の方が気になります。いよいよ電車で読めない本になりそうですが。

(byぶらっと)

 

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