Cocoon 修羅の目覚め
去る8月12日に文庫版が発売になった、夏原エヰジさんの「Cocoon 修羅の目覚め」を読了しました。
昨年の11月末、twitterで「面白い」との評判を聞きつけamazonの欲しいものリストに入れておいたもの。ただ、大判の単行本で通勤電車では読みにくいので、購入はしませんでした。それでもずっと気になってた作品です。
先月、青柳碧人さんの「あやかし算法帖 からくり寺の怪」を買いに本屋さんに行ったら、目的の本を見つけられなかった代わりに、表紙が印象的なこの本を発見。
「これは!昨年チェックしていたヤツが文庫化された!」と、その場で衝動買いしちゃいました。
読み始めてみると、妖(あやかし)物のラノベにしては「江戸時代や遊郭の風俗について調べたことを盛り込みすぎでは?」という第一印象。前半は「時代考証がんばりました!」という記述に、「いいからお話を進めてください」と突っ込みたくなります。
この時点では「ハズレ引いたか?」と思いましたが、後半に物語が動き始めるとそれらが効いてきます。その時代に生きた生身の人達のドラマを見るようで、妖という架空の者たちまでリアリティを感じます。
後半で北尾政演(きたおまさのぶ)という浮世絵師の名前が出てきます。実在の人?と思ってググってみたら、戯作者の山東京伝が浮世絵を描く時の名前だったそうです。流さずに読み込んでいくと、さらに学ぶことがありそうです。
解説を読むと、新人賞への応募にも関わらず「続編を読まないと謎は解けませんよ」という異例の作品だったそうです。
それを理由に選外にできないほどに審査員をも惹きつけたらしく、奨励賞受賞からの全5巻を予定した刊行ということになったとか。
8月26日で単行本が5巻で完結しました。続きの文庫化が待ち遠しい!
あ、青柳碧人さんの本は、3年前に出た「あやかし算法帖」の続編だったようです。そちらも未読なので、今度まとめて購入しましょう。
(byぶらっと)
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