金継チャレンジ(総括)
前回「あとはツルを買うだけ」と言ってから、一カ月近く経ってしまいました。
購入したツルがyodobashi.comさんから届いたので、さっそく付けてみました。
ツルのサイズもピッタリ。これで大きな急須が復活です。
普段、お寿司屋さんでもらった湯飲みを使っているので、小さい急須だと2回淹れないと2杯分にならなかったんですよ。
これで一度に2杯分淹れられるようになります。
さて、昨年から半年ちょっと掛けて金継をやってみて、いろいろ分かったことをまとめておこうと思います。
◆金継をやって良かったこと
金継をやってみて一番良かったのは、食器を割ることへの恐怖が薄れることですね。
お気に入りのぐい呑みとか、使う度、洗う度に「割ったらどうしよう」とドキドキしていました。それが割っても直せる、なんなら金継した方が味が出る気がする。これは心強いです。
器は使ってこそ、繕って使うことで詫び寂びまで感じられる。これぞ日本の器って感じです。
◆作業期間が掛かること
着手してから完成まで半年以上。ほとんどが硬化待ち(と作業のお休み)時間とは言え、作業期間が相応に掛かります。
1回の作業は30分~1時間程度なのですが、その都度の待ち時間が数日~2週間。着手してから完成まで早くても1~2カ月、タイミングが悪くて作業が止まると半年がかりというのは、のんびりと悠長な趣味です。
◆費用について
金継業者に修理を依頼するとべらぼうに高いそうです。ネットで軽く検索てみても、簡単なヒビや欠けで5千円~、単純な割れで8千円~、複雑な修理や金の使用量が増えると数万円もかかることも。
材料費・作業時間・スキルを考えれば妥当なのですが、相応に高価か余程の思い入れがある器じゃないと修理の依頼なんてできません。
しかし、自分でやるなら金継キット代の8千円弱で済むので、一つ直しただけで元が取れちゃいます。
材料はたっぷりあるので後はいくらでも直せるし、使い切った材料だけ追加購入もできる。ある程度の器用さと慣れは必要ですが、安価な日常使いの器も気軽に直せるので、DIYなら圧倒的に安上がりです。
◆金継した器の制約
残念ながら、金継をした器にはいろいろな制約ができます。
直火や電子レンジの不可は当たり前として、食洗機や長時間のつけ置き洗いもダメらしい。漆は乾燥にも弱いので、冷蔵庫に食品を保管する際の器にも使わない方が良いとか。
漂白剤も不可というのが一般的なようですが、どうしても汚れが気になるなら低濃度で短時間なら可というサイトとか、割と大丈夫という情報もあるので、ここは汚れ具合と相談ですね。
あと、マグカップや急須の把手など熱いものを入れた状態で再破損したら危険なものは、そもそも直さない方が良いとのこと。
もっとも、食品や飲料が直接触れる場所でなければ、より強力でお手軽な「新うるし」(エポキシ樹脂)で直すという手もあるようです。
いずれにしても、器の用途や使用頻度と相談しながら繕うか欠けたまま使うかの選択が必要です。
「金継ぎするのは高価、または思い入れのある器」というのは、費用だけでなく日常使いの制約もあるのでしょうね。
◆漆のかぶれ
最後に、心配した漆のかぶれについて。
「かぶれたらかぶれたで、それもネタのうち」「どの程度かぶれやすいかも確認しておこう」くらいのノリで、割と無防備に素手で作業していました。塗り終わった直後の漆を触ってしまったり、押さえていたパレット替わりのビニールシートが滑って漆に指を突っ込んだり、筆を取り落として漆の付いた筆先を素手でキャッチしたりと、ずいぶんなムチャをしました。
漆が皮膚に付いた場合の処置は、植物油で拭き取って、石鹸で洗うのはその後。
播与漆行の「すぐ塗れーる」が普通の漆より弱いのか、自分が漆に耐性があったのか、素早く拭き取った対処が功を奏したのか分かりませんが、幸いにもかぶれることはありませんでした。
もちろん漆かぶれは個人差があって、臭いをかぐだけでも全身がかぶれるという人もいるらしいので、漆を扱おうという方は自己責任でお願いします。
また、アレルギーなだけに蓄積でかぶれが出るようになることもあるので油断大敵です。
◆今後、金継を続ける?
そこそこの完成度でできる事が分かったので、次は橘吉の菓子鉢なんかは格好良く繕っていきたいです。
反面、ご飯茶碗やチェコで購入したマグカップなど日常使いの食器のちょっとした欠けは、浸け置き洗いや漂白など使い勝手が落ちるのでそのままかも。
しかし、漆の乾燥に適した高温多湿な夏が終わってしまったので、これからの季節は管理が大変です。
夏限定の趣味というものありかもしれません。
(byぶらっと)
| 固定リンク


コメント