30年目の「10万人の宮崎勤」
1988年の夏。宮崎勤の事件後のコミケを取材したテレビで、レポーターが「ここに10万人の宮崎勤がいます」と報じたという“都市伝説”。
これが本当にあった事なのか、実際にはなかったのか。検証した結果が昨年の夏Yahoo!ニュースの記事になり、年末のコミケで取材過程の同人誌が出ると話題になっていました。
これ1冊のためにわざわざコミケには行けないと入手は諦めていましたが、たまたま新宿のcomic ZINに行ったときに委託販売されているのを見つけたので、さっそく購入して読んでみました。同人誌版は取材の経緯などがより詳細に出ているので、「あったか、なかったか」だけでなく、当時のオタクを取り巻く環境やオタク達の思いを知れたのが良かったです。
また、「この人が言った」とまことしやかに言われていた東海林のり子さんご本人にも取材しています。東海林さんは当該事件を精力的に取材してオタクにも真摯に向き合っていらした方だそうで、このような発言をするわけがないとの確証が得られています。
「宮崎勤の部屋の印象もマスコミが作ったものである」というのも以前から言われていましたが、それについても複数の証言が得られたことでマスコミの捏造の裏が取られています。
この事件当時、私は就職して3年目くらいで、オタク活動はだいぶ縮小していた頃。事件への関心はありながらも、オタクとしての当事者意識は薄かった気がします。
今やオタクを取り巻く環境も変わり、ライトオタクも増えたことで偏見も減っています。そんな今日もこの事件を経た上にあることを考えるきっかけとして、読めて良かったと思います。
(byぶらっと)
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