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2014年5月10日 (土)

いちえふ

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福島第一原発の作業に携わった作家さんが、その体験を綴ったルポ漫画「いちえふ」。近所の本屋に試し読み冊子があり、続きが気になったので買ってみました。
巷では「ふくいち」という語をよく耳にしますが、地元では「いちえふ」と言うらしいです。恥ずかしながら、そんなことすら知りませんでした。

福島で起きている事について、部外者には何が真実かは分からないし、これに描かれていることが全てかどうかも分かりません。しかし、実際に作業に携わった方の視点で描かれた記録を読むことで「福島の現実」を知るためにも、この作品は価値が高いと思います。
もちろん多少の主観は入っているかもしれませんが、日々の作業を淡々とこなす姿や、厳しい作業の合間にも息を抜く様子は、偏った主義主張を織り込むことなくありのままを描いているようです。風説の流布で物議を醸している某グルメ漫画とは比べものになりません。

原発の推進派も反対派も、声高にアピールするのは自分たちの主張に沿った部分ばかり。都合の悪いことには触れないのが基本です。その姿勢は新聞やテレビなどマスコミの報道もしかり。
どこかで事実が隠されたりねじ曲げられたりしてるんだろうなぁと思うものの、なかなか真実に触れるのは難しかったりします。
造形を通して知り合った友人に福島在住の方がいて、その方のtwitterを通して断片的に現地の様子を伝え聞くことはありました。こういった形で生の状況を知ることができる、しかもそれが取っつきやすいマンガというのは貴重な作品です。
作中では原発推進とも原発反対とも言っていないので、この作品を読んでどう考えるかは読者次第でしょう。

廃炉の作業は永遠とも思えるくらい長く続きます。10年、20年と経てば、時と共に人々の記憶から薄れていくでしょう。
作家さんの被曝線量の制限もあるでしょうからずっと作業に携わるのは無理だと思いますが、この現実を忘れないためにも作品は不定期でも続けてくれると良いと思います。作品を通して現実を知って、正しい判断ができるようになりたいものです。

(byぶらっと)

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コメント

ボクは雑誌はアフタヌーンしか読まないので、モーニングでこういう漫画が連載されていたとは、知りませんでした。
講談社は、震災直後から各誌で、福島在住の作家さんに色々な漫画を描かせていましたね。
アフタヌーンでも「フクシマ・ラプソディ」と云う作品が載ってました。(もし、良ければご一読を。)
地元と云っても、隣県ですが、朝刊を読むと、震災関連の記事は絶える事はありません。
そして、今も今日の犠牲者数と行方不明者数が載っています。
行方不明者が0になるまで、載せ続けるのだそうです。
そして、ふと「この記事は全国紙には載らないな。」とも思ったりします。

「いちえふ」は、一つの表現方法として、福島の今を伝える重要な作品だと思います。

新人の単行本としては異例の早さで、Kindle化されましたし。

東北発として、こういった作品が注目を浴びるのは、とても良いコトだと思いますね。

そして、日本が「何を背負ったのか」考える一助のなれば良いなと思います。

投稿: 囃屋 佗助 | 2014年5月11日 (日) 03時34分

■侘助さん
こちらは雑誌など全く読まないので、本屋さんの試し読みのおかげです。そのため、他の作品はぜんぜん知りません。
せっかくなので、少しずつ読んで笑みたいとは思いますが。

どうしても被災地とは感覚がずれてきてしまいますが、広く情報を得ることを心掛けたいと思います。

投稿: ぶらっと | 2014年5月11日 (日) 22時22分

震災当日に何があったか、多分、最もリアルにかつ詳細に取り上げている本は「河北新報の一番長い日」です。
最近、文庫本になりました。
TV東京系でドラマにもなったそうです。(ボクは未見ですが。)

それから救援側の立場を取材したのが、「東日本大震災と自衛隊」です。
知人が地図を描いたので、読みましたが、これもお勧めですね。

何だか、世の中はW杯とか東京オリンピックで盛り上がってますけど、地元にいると、正直、そんな気にはなれません。

…とは云え、風評被害を煽ってるだけのような某小学館の某グルメ漫画ほど、実際にはヒドくないですけどね。
(あの漫画、何をしたいんでしょうねぇ?)

投稿: 囃屋 佗助 | 2014年5月12日 (月) 09時07分

■侘助さん
震災に遡って記録を読むのも大事ですね。
忘れそうになった頃に読んでみたいと思います。

オタクな我が家では、W杯も東京オリンピックも興味なしですよ。オリンピックで東京ビッグサイトが使えなくなる方が心配なくらい。(^^;)
正直、東京でのオリンピックは反対でしたが、それでも日本に海外から訪れる人が増えて、日本や被災地に少しでも好影響があるなら良いのですが。

某グルメ漫画は話題になった翌週で、さらに酷いことになっているらしいですね。最近は偏った思想が表に出ていると評判でしたが、最悪の結末に向けて突き進もうとしているのかもしれません。

投稿: ぶらっと | 2014年5月12日 (月) 21時50分

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