大浮世絵展
昨日ハシゴしたもう一つの展覧会は、江戸東京博物館の『大浮世絵展』です。 国際浮世絵学会の創立50周年記念ということで、世界中から名品が集まってきています。そりゃもう、美術の教科書なんかで見るような有名な浮世絵が「これでもか!」ってくらい。絵画に比べて小さい作品が多いのでキツキツに詰めて展示されていますが、それでも半分も展示できないくらいに。
...そうなんですよ。2カ月の会期中、1~2週間毎に7回も展示替えが行われるんです。
代表的な絵は前期/中期/後期くらいに長く展示されますが、それでも3回は通わないと見たい絵をすべて見られないほど。orz
会期の前半がワンフェスの準備と重なったので、終わり間際にしか行けませんでした。
一番見たかった歌川国芳の「相馬の古内裏」が最後の2週間だけの展示だったのはラッキーでした。
北斎の「冨嶽三十六景」のうち、「凱風快晴」(いわゆる「赤富士」)と対になる「山下白雨」(「黒富士」というらしい)がセットで見られたのも良かったですが、大好きな「神奈川沖浪裏」は最後の2週間だけ展示なし。(><)
他にも「見返り美人」や写楽の「市川鰕蔵の竹村定之進」(下の写真の右上の絵)等々、目玉展示が見られず。まぁ、見られなかった作品を嘆くより、見られた多くの作品を楽しめたので良しとしましょう。足りない分は図録で補いますよ。これだけ多くの作品が一度に見られるのは貴重な機会でした。
浮世絵が絵師・彫り師・刷り師さんたちの切磋琢磨で進化していく様子が感じられる良い展示だと思います。色を挿したり、多色刷りにしたり、押しで模様を表現する「空摺り」という技法を使ったり。全身から大首絵を経て8頭身美人と描き方が変わる過程も分かり易いし、痛扇子や観光ガイド的なもの等々まで。
正に現代の同人作家やフィギュア原型師が切磋琢磨する様子に通じるものがあります。この人達からオタクDNAを受け継いでいるんだなぁと、妙なところで実感しちゃったり。
物販では図録の他に、クリアフォルダ、コラボcampusノート、横長の絵葉書を購入。どんだけ骸骨(これが「相馬の古内裏」です)が気に入ったの!?という感じ。(^^;) 東京での会期は今週末3月2日まで。その後、名古屋、山口と2カ月ずつ巡回します。
日本が世界に誇る浮世絵文化の成立から衰退までを一度に見渡せるチャンスなので、お薦めです!
(byぶらっと)
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