「タレーラン」読了
正式タイトルは「珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を」 (岡崎琢磨著/宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)です。
「京都の喫茶店を舞台に、バリスタ探偵が活躍するミステリー」とのふれ込みに、コーヒー好きとして思わず手が出ました...が、これはないなー。(--;)
ちょっと読んだだけで「ビブリア古書堂の栞子さんをバリスタに置き換えた」と誰もが感じてしまうような二番煎じ丸出しな上、ミステリー部分が挽いたコーヒー豆のように小粒。(^^;)
ビブリア古書堂では古書についての蘊蓄も魅力を高める効果を発揮していますが、こちらはコーヒーについての蘊蓄も半端なんですよね。
直前に読んだ「一命」が鬱展開だったため、毒にも薬にもならない軽い日常を読み流すことで気分が晴れましたが、このタイミングでなければ読み切れなかったかも。\(^o^)/
あと、台詞に抵抗感がありすぎです。「犯人わかっちゃったんですけど」のような決め台詞は色々な作品で工夫されていますが、この作品については練りすぎでコーヒー臭が鼻につきます。
言葉遊びや軽妙な会話なども凝っているようですが、「化物語」や「氷菓」の足下にも及びません。スベりまくりで痛々しい。(;´д`)トホホ…
“宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ”というレーベル名が紛らわしいですが、「このミス(このミステリーがすごい!)」で大賞を取ったという訳ではないようです。本当に大賞を取った作品もありますが、単に宝島社が売りたいミステリーも紛れています。あちこちの本屋で平積みしていますが、売りたい本が面白い本とは限らない?
ミステリーどころか、ライトノベルとしても物足りない感じですが、最終章でかろうじて挽回しています。まぁ、日常系4コマくらいのノリで読むと「近所にこんな喫茶店があったら良いなぁ」とほんわかした気持ちになれますので、リアルな日常に疲れた時などにはお薦めかもしれません。
(byぶらっと)
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