読み始めて1カ月半くらいで、やっと「大聖堂」を読み終わりました。
さっそく溜まったラノベを消化中。(^^;) やっぱラノベは軽いですねぇ。「俺の妹がこんなに可愛い訳がない(8)」なんて2日間の通勤時間(正味2時間くらい)で読めちゃいましたよ。
なんか、コストパフォーマンス的にどうなの?って疑問も湧いてきたり。\(^o^)/
さて「大聖堂」ですが、さすがに世界で2,000万部も売り上げたベストセラーだけあって、読み応え充分でした。感想はネタバレしない程度に押さえておきますが、それほど多いとは言えない登場人物の人生が複雑に絡み合うストーリーは、大河ドラマとも言える壮大さ。
権力者が無茶を通せる中世の世界観とか、懺悔すれば何でも許されちゃうキリスト教の宗教観は、現代の日本人としては少々受け入れがたいところもありました。それでも、貴族、聖職者、建築職人、商人、吟遊詩人といった当時の人々の生活が垣間見るような臨場感はさすがでした。巻末の後書きや解説にも書かれていますが、徹底した取材に基づく記述はリアリティがありますね。
また、大聖堂(カテドラル)の建築に関する記述も興味深かったです。
身廊(ネイブ)、側廊(アイル)、袖廊(トランセプト)、交差部(クロッシング)、内陣(チャンセル)、明り層(クリアストーリー)、飛び控え壁(フライング・パットレス)、肋骨穹窿(リブボールド)天井、地下祭室(クリプト)、回廊中庭(クロイスター)、等々、建築様式に関わる用語もたくさん出てきます。※写真はクリックで拡大表示します。観光で撮影してきたものに「たぶんこれのことだろう」という注釈を入れてみました。
壁で支えていたものが基柱(ピア)で支えるようになり、窓を大きくしてステンドグラスによる装飾で天国のイメージを伝えるように建築技術が進歩する様子も分かりやすく表現されています。
こうなると挿絵がないのが寂しいです。いや、ラノベ的なイラストじゃなくてね。(^^;) 大聖堂の構造が分かる図解付きならもっと楽しめるのに。
これ、海外でドラマ化され、今年の春先にNHKで放送されたらしいですね。ストーリーは本を読んだ方が自分なりに楽しめると思うけど、大聖堂の映像だけは見てみたいかも。8月にBSプレミアムで再放送があるようですが、どうしようかな。
旅行先でいくつもの大聖堂も訪れていますが、こういう構造的な知識がなかったので、大聖堂自体を鑑賞することはできていませんでした。今まで惜しいことしたなぁ。
でも、これからの旅行では新たな楽しみも増えましたよ。
(byぶらっと)
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