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2010年12月26日 (日)

青少年健全育成条例のこと

既に都議会でも可決されたし今さらという気がしないでもないですが、先日こんにゃく入りゼリーの規制について書いた流れもあるので、オタクの端くれとして自分もちょっとだけ触れておこうと思います。
長文なので、表示を省略しておきます。オタクの一人として自分の考えをまとめておきたいだけなので、興味のある方は「続きを読む」からご覧ください。

まず規制の話の前に、性描写に関する私の考えを述べておきます。

「エロ漫画をゾーニングも何もなく売ってきた出版社は猛省すべき!」

無秩序に暴走すれば「規制しろ!」となるのは自明の理です。遅かれ早かれこうなることは予測できたはずで、「とりあえず今だけ売れれば良い」という商売をしてきたツケが回ってきただけのことでしょう。
「現行法でも規制は充分」とか「ゾーニングすれば問題はない」と反発していましたが、それを守らないから「規制しろ」ということになったと自覚してほしいです。自分だけが勝手を通すというのは、DQNモンペと大差ないですよ。

自分はオタクですが、一応妻帯者でもあり、エロについては基本的に買うこともないしフィギュアを作ることもない。だから規制されようが一向に困らない。半面、子供がいるわけでもないので、規制されて安心ということもない。ぶっちゃけどっちでも構わないけど、「エロパワーがなくなるとオタク業界全体の元気がなくなりそうだな」くらいの心配程度です。
まぁ、こんなつまらないことで「オタク=異常性欲者」と十把一絡げで見られるくらいなら、もっと前からきっちりしたゾーニングくらいしておくべきだったと思います。

さて、そんな前提を差し引いた上で、今回の規制については以下の2点で猛反対です。

1.漫画とアニメに限るってなに?
こんにゃく入りゼリーもそうですが、規制するなら特定の対象を狙い打ちするのはおかしいでしょう。子供をなめちゃいけません。漫画やアニメは手に取りやすいかもしれないが、小説やドラマなんかも基準は統一すべき。

自分が子供だった頃を思い出してみてください。今みたいに手軽に際どい漫画やアニメが手に入る状況ではなかったけど、じゃぁそれらの情報は全くなかったかといえばそんなことはないでしょう? 小説やらスポーツ新聞やら、仲間内の誰かがどこからともなく何かしら入手してくるものです。ましてや今はインターネットの時代です。一般書籍やテレビドラマ、ネットアクセスなども含めて、規制するなら全てのメディアを対象にしなければダメでしょう。
ゾーニングをするのなら、都知事の過去の作品だって例外じゃないということですよ。

2.規制対象の基準が曖昧すぎ
既にあちこちで言われていることですが、絶対的な判断基準が不明確というのが大問題です。お役人の胸三寸で規制対象になるというのでは、作家さんや出版社にリスクを押しつけることになります。
“出版禁止”ではなく“ゾーニング”なんだから検閲じゃないなんて言ってますが、一般に売れると思っていたら拡大解釈されてゾーニングで売り上げ半減なんてリスクがあるのでは、実質的に検閲と変わりません。

副知事が「手塚作品は名作だから近親相姦が描かれていても問題ない」という趣旨の発言をしたとか。
名作っていうのは多くの読者に読まれることで認められるもので、新作に対してその判断をお役人がするなんておこがましい。つまり、名作かどうかなんて判断は誰にもできないんだから、絶対的な基準を決めたら全ての作品はそれに従ってゾーニングすべきです。
そうすれば、作家さんも出版社も基準に従って自己責任で作品を作れるようになります。

以上のような感じで、私としてはゾーニングには賛成ですが、今の条例には反対です。

今回の条例可決の経緯については、他にもいくつか疑問点があるとの噂も聞きます。
今までは出版社と話し合いで解決してきたのにいきなり強行的に条例を決めたとか、警察関係者の実績の為じゃないかとか。都知事に至っては「変態はDNAの欠陥」などと、差別思想に基づくような発言もしたとか。
こんにゃくゼリーもそうですが、「安全のため」とか「子供のため」というより、「規制ありき」とか「何らかの利害関係がある」としか思えないのもイヤな感じです。そもそもは犯罪被害者となる青少年をなくすことが趣旨だったはずなのに、本来の目的を見失っているような気もします。

何時の時代も、大人は自分が理解できないモノを制限したがります。
「ゲゲゲの女房」でもPTAがヒステリックに貸本漫画を規制しようとする姿が描かれていましたが、現代においては滑稽ですよね。
思春期の性的な興味というのは止めようもないだろうし、止めれば止めるほど隠れてエスカレートするものだったりします。ましてや、そいうったものを読んだから犯罪に走るって決めつける前に、しっかりした躾をするのが本来ではないでしょうか。昨今の風潮で、兎角なんでも他人の所為にしたがりますが、まずは家庭内の教育からだろうと思います。

漫画やアニメを世界に誇れるコンテンツとして発信していこうというのに、作品の幅を絞っては全てのコンテンツが無味乾燥なものに成り下がります。
犯罪に関わるもの全てを規制となると、殺人はおろか、詐欺も万引きもスピード違反もイジメも何も起こらない世界しか描けなくなって、日常4コマ的なほのぼの系だけになってしまいます。そんなぬるい作品が、世界の人々を惹きつけられるとは思えません。

現在の無秩序な状況は厳罰をもって対処すべきですが、表現に対する曖昧な規制はするべきではないと思います。
条例は既に可決してしまったとは言え、出版社の東京国際アニメフェアのボイコットによる影響とか、4月には都知事選もありますし、もうしばらく注視していきたいと思います。

(byぶらっと)

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コメント

この条例だとアニメ「イニシャルD」「湾岸ミッドナイト」も規制に入りますね。高速道路などの公道での暴走行為や車両の不法改造を助長するなどで・・これがきっかけか?影響で一部の規制勢力によってスポーツカー叩きなどで自動車人気に陰りが出て若い人達の自動車離れが進む、車検制度が厳しくなるなど悪影響なスパイラルを生むのでは・・・自動車で言うなら大型トラックの速度規制リミッターは付いているのに多くの人命を預かる高速バスは付いていないなど矛盾点もありますよ。

投稿: 埼玉 | 2010年12月31日 (金) 12時58分

2010年中、ワンダーフェスティバル関係でお世話になりました。良いお年を迎えて下さい。良い年である事を祈っております。

投稿: さいたま | 2010年12月31日 (金) 17時56分

■埼玉さん
「野放しのアニメ・コミックが対象」と言訳していたのに、2週間もしないうちに自主規制を徹底していたゲームにも規制を広げるとか。大義名分をかざして規制を実施したら、あとは拡大解釈という心配が現実になったようです。
自らの理論との矛盾すら気にしないヒステリックな人には、何を言っても通じないというのが困ったものです。

2011年もよろしくお願いします。

投稿: ぶらっと | 2011年1月 1日 (土) 11時54分

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