今週月曜のNHKクローズアップ現代で、電子書籍を取り上げていました。流通のしやすさ、価格の安さ、絶版本の復活、保管スペース問題の解決など、多くの利点を紹介していました。
しかし、紙の書籍を愛用する身として一番心配なことにはほとんど触れず。(--;)
電子書籍で購入した本って、将来に渡ってどの程度の保障があるのでしょうか?
PSPでMAPLUSというカーナビソフトを使っていますが、アナウンス音声を有償でダウンロードした好きな声優さんに変更できるのが大きな特長です。
しかし、PSPが壊れたり、新機種に買い換えたりした場合、シリアル番号の異なるPSPにそのデータを引き継ぐことはできないことになっています。音声ファイルはコピーできても、認証されないので使えない仕組みです。
電子書籍でも、将来的に同じ心配が発生すると思うのです。
もちろんPSPのような“玩具”ではないので、ハードの買い換えなどにも対応はするでしょう。
しかし、iPadからKindleに乗り換えたら? っていうか、シェア争いに敗れたベンダーが日本から撤退したら?
そういった疑問をまとめているサイトさんがあったのでご紹介。
マスコミやGIGAZINEが伝えないマジコン規制の本当の恐ろしさ
リンク先はアクセスコントロールが主題な上、購入した著作物の私的コピーの問題にまで触れているため、ちょっとコメント欄は荒れ気味のようです。もちろんマジコンのように他人の成果を盗むツールは滅べば良いと思いますし、私的コピーは拡大解釈していくと際限がないのでここでは触れない事にします。
しかし、「電子化された書籍はいつまでも読める保障はない」という部分は「やっぱりねぇ」と納得。
例えば「映画のDVDを購入したけど、テレビをソニーから東芝に買い換えたら再生できなくなる」なんてあり得ない話が、これからは色々な場面で当たり前のように発生するんでしょうね。(携帯電話なんかの世界では既に起きていることかもしれませんが。)
我が家は基本的に購入した本はBOOKOFFなどに売らず、どんなにつまらなかった(^^;)ものでも手元に置いています。blogにもたまに20~30年も前の本を引っ張り出してきて登場させたりします。
10年くらいでインフラがなくなったら表示できないとか、そんなの“書籍”じゃないよ~。
確かに「ちょっと読んでみたい」だけのラノベなんか、1/3くらい(クローズアップ現代の説による)の価格で読めるなら読書の幅は広がるかもしれません。でも、それで面白くて続きを読むなら、1巻から紙媒体で買い直すかな。\(^o^)/
一度読んだ本はさっさとBOOKOFFで処分しちゃうような人は、買値と売値の差額以内なら電子書籍で良いのでしょう。
出版社も、中古市場でやりとりされなくなるなら電子書籍は大歓迎でしょうね。
でも、手元に現物を残したい人にとって、電子書籍を無条件に受け入れることには抵抗があります。
本屋の店頭でぶらぶら眺めていて興味をそそる本と出会うことがなくなったり、(賛否はあれど)中古市場がなくなることで世代を超えた希少本の引き継ぎがされなくなったり、紙という現物を離れるリスクもあると思います。
「電子書籍が普及すれば紙の本は5年で消滅する」なんて言っているアメリカの科学者もいるらしいですが、何千年も続いてきた紙の文化がそう簡単に電子媒体に置き換わるものなのかは少々疑問です。
また、アメリカとの国民性や文化の差もあるので、日本でも同じような展開になるのかというと、さらに怪しい。(^^;)
まぁ、しばらくは書籍の未来がどのようになるのか、見守っていきたいと思います。
(byぶらっと)
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