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2009年7月14日 (火)

童話迷宮

くおんの森」で独特の雰囲気にはまった釣巻和さんの新刊。新刊とはいえ、以前ネット連載したものを纏めたもので、書かれたのは「くおんの森」より前になるらしいです。
Dowa_meikyu
ベースとなっているのは「日本のアンデルセン」「日本児童文学の父」と呼ばれる小川未明氏の童話集です。短編のタイトルをそのまま使い、設定の一部を活かしつつ現代風の別の物語に仕立ててあります。
Mimei その中の1編「赤いろうそくと人魚」は“文学少女”シリーズの短編集にも登場していたので、「小川未明童話集」もいずれ読みたいと思っていました。そこで早速この機会に買ってみました。お気に入りのラノベとコミックが同じ文学作品を通じて繋がるのは嬉しいし、読書の幅が広がるのも楽しいものです。
未明作品は絵本もたくさん出版されているので、読んだことがある方も多いのではないかと思います。私は初めて読んだのですが、ほんわかエンドのもの、ほろ苦エンドのもの、意味不明なもの(^^;)が混在しているように感じました。“文学少女”の短編は、BADエンドの絵本を読んで泣き出した子供たちのために心優しい少女がハッピーエンドの続きを創作するお話しで、うまく“文学少女”の世界にとけ込んでいます。

そして「童話迷宮」も未明の短編を題材にしながら、心温まるお話しになっています。意味不明だったお話も、分かり易いお話になっていたり。比べながら読むとさらに深い味わいになります。
惜しむらくは初出がカラーだった作品もすべて白黒での収録となっていること。絵が綺麗で雰囲気を楽しむ作家さんだと思うので、価格が2~3倍でもカラーで読みたかったなぁ。ただ、後書きにもあるように、白黒で収録するに当たっては色の濃淡の調整に拘ったらしいので、白黒で読んでも十分楽しめますが。

これらの作品を単独で読まれていた方には、“合わせて読みたい”作品としてお薦めしたいと思います。


(byぶらっと)

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