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2008年5月29日 (木)

ネパール連邦民主共和国

日本と同じ立憲君主制だったネパール王国ですが、昨日の議会で正式に王政の廃止と連邦共和制への移行が決定したそうです。
以下、YOMIURI ONLINEより引用です。

----(ここから引用)----

ネパール制憲議会で王制廃止決定、240年の歴史に幕

【カトマンズ=永田和男】ネパール制憲議会は28日夜(日本時間29日未明)、政体を連邦共和制とする宣言を賛成560、反対4で採択し、同国で240年続いた王制の廃止を正式決定した。
長期にわたる内戦や経済の混乱にあえいだ同国は、新生国家として新しい一歩を踏み出すことになった。
制憲議会は、今後2年あまりをかけて、新憲法を起草。ギャネンドラ国王(60)は一市民となり、カトマンズの王宮を近く去るよう求められる。

(2008年5月29日02時59分  読売新聞)

----(ここまで引用)----

ヒマラヤ・トレッキングのためにネパールを訪れたのが1994年のこと。その時に見た霊峰マチャプチャレは、今でも「旅先で見た最も美しい風景」としてホームページのバナーに使っています。
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当時のビレンドラ国王は国民主権を実施した国王として国民にも慕われていて、敬虔なヒンドゥー教徒の多い街の風景を見ても落ち着いた国と感じられました。チベット仏教の寺院など見所も多く、1996年にはカトマンドゥの街を中心とした観光に再訪するほど良いところでした。トレッキングを中心とした観光が盛んなこともあり、訪れる外国人も多かったようです。でも、本当に安心して旅行できた期間は割と短いという印象があります。

気軽に観光旅行できるようになったのは国民主権を謳った新憲法が制定された1990年以降のことと聞きました。また、1996年以降は王政打破を訴える共産党毛沢東主義派(毛派=マオイスト)が国内での勢力を拡大し始めたこともあり、ちょっとリスキーに感じるようになりました。そういう意味では、本当に良いときに旅行できたと思います。

その後はビレンドラ国王一家の殺害事件が起こり、マオイストの武力拡大、国王派とマオイストの内戦と荒れるばかり。ギャネンドラ国王による絶対君主制への強制移行により民主化要求が加速して、今回のマオイスト主導による共和制への流れが決定的になったようです。
市井で暮らす善良な人々の生活が思い浮かぶだけに、ニュースを聞く度に辛い気持ちでした。まだ大統領の権限を巡る混乱などあるようですが、今度こそ政治が安定して本当に平和な日々が戻ることを祈ります。

(byぶらっと)

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