疑問あれこれ ミュージカル「ライオンキング」
社員旅行ということで、不本意ながら劇団四季の「ライオンキング」を見てきました。ミュージカルは映画・舞台とも好きですし、劇団四季の舞台も過去に「オペラ座の怪人」「レ・ミゼラブル」「クレイジー・フォー・ユー」を観て、それぞれものすごく感激しました。しかし、今回だけは「...?」な感想です。
そもそも何故「不本意」かといえば、言わずと知れた「ジャングル大帝」をマネたという疑惑です。私は中学生の頃、まだディズニーの長編アニメが「東映まんが祭り」の6本立てで戦隊ものや魔女っ子ものと同時上映されていたころから、ガキんちょに混じって独りで映画館に通うくらいのディズニー好きでした。しかし「ライオンキング」以降、他にも盗作疑惑が出たり、古い作品の「続編」が増えたり、ヒットするのはピクサー社が製作するCG作品ばかりと、すっかりまともなアニメーション作品が作れなくなったディズニーが大嫌いになってしまいました。世間では盗作騒ぎなんかすっかり忘れ、ミュージカルも10年目となるロングランを記録していますが、手塚治虫とウォルト・ディズニー(カンパニーじゃないですよ)の両者を大好きなアニメファンとしては、今の状況では絶対に認めたくない作品のひとつです。
で、ミュージカルとしてどうだったかというと...これもイマイチ。あんな着ぐるみまで使ってあのお話を劇団が演じる理由が理解できません。冬になるとテレビで「ディズニー・アイスショー」と称して熱帯魚やら宇宙人やらの着ぐるみでアイススケートをしているCMを見ますが、まさにあのくらいの違和感がありました。笑いの取り方もやはり「子供向け」って感じでしょうか。「初めてミュージカルを観た」というオジサン社員は素直に感動していましたが、私としては隣でやっていた「ウェスト・サイド・ストーリー」の方が観たかったです。まぁ、それでも10年もの間、ほぼ毎日満席に近い盛況でロングランしているのですから、純粋に「ライオンキング」のファンの方もいらっしゃるのでしょう。前述のオジサン社員のようにこれをきっかけにミュージカルに目覚める人もいるわけですから、それはそれで良いことかもしれません。
しかし、これからは「ライオンキング」は知っているけど「ジャングル大帝」は知らないという若い方も増えてくると思います。既にアメリカでは「ジャングル大帝はライオンキングのパクリ」などというとんでもない発言も出ているとか。古今東西「勝者が歴史を作る」といわれますが、まさに規模や影響力でウォルト・ディズニー・カンパニーの「ライオンキング」の方がオリジナルだという日が来るかもしれません。(--;)
(byぶらっと)
【2007/12/3追記】
「ライオンキング」の一番違和感を感じていた部分に思い至ったので追記です。
今日、旅行に参加しなかった同僚に感想を聞かれて話をするうちに気が付きました。主人公シンバの成長がまったく描かれていないんです。
叔父の陰謀とはいえ、元はと言えば自分の身勝手で父が死に、群れを離れて「お気楽」に暮らし、悪事が露見した叔父を成敗してめでたしめでたし。身勝手でお気楽なシンバが、どこで王としての自覚を得るのか、どのように成長するのかがすっ飛ばされています。これでは物語に感動することはできません。結局ディズニーがまともなアニメを作れなくなり、登場キャラクターだけパクったもののストーリーは単純な勧善懲悪以上のものを作りこめなかったということでしょう。
で、「シンバはいつ成長したの?」という私の疑問に、件の同僚が答えて曰く「血です。」\(^o^)/
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