世界のジャイアンの牛肉
とても気になるニュースがあったので、NEWS@niftyより全文を引用させていただきます。
米国産牛肉輸入を全面停止(共同通信)
政府は20日、米国から輸入された牛肉に、牛海綿状脳症(BSE)の病原体がたまりやすい特定危険部位の脊柱(せきちゅう)が混入しているのを確認したと発表、米国産牛肉の輸入を当面、全面停止することを決めた。小泉純一郎首相は同日夜、中川昭一農相から米国からの輸入を全面停止するとの報告を受けたことを記者団に明らかにした。
[共同通信社:2006年01月20日 21時50分]
一言で言うと「思ったより早かったな」です。どうせこんな事になるだろうとは思っていましたので、「驚き」とか「意外」とかではないです。米国産の牛肉はいくら安くても食べる気はありませんでしたし、米国産牛肉を使用する牛丼チェーンなどにも絶対行かないと決めていました。多くの消費者もそう考えていたでしょう。しかし、加工食品に「牛肉エキス」などとして混入されてしまっては避けることができず、知らず知らずのうちに摂取して5年も10年も経ってから発覚。全国民がいつクロイツフェルト・ヤコブ病を発症するか分からないという、輸入非加熱血液製剤の二の舞を演じることになるのではないかと恐れていました。
元々「生後20ヶ月以下」と言いつつ、そこには何の根拠もなく「肉質で判断」などと非常に曖昧。この時点で政府機関に「国民の命を預かる」という意識があれば、どう考えても輸入を再開するという選択はできないはず。それでも輸入再開となったのだから、「国民の命」よりも「米国との関係」に重きを置いたと勘ぐられても仕方がないでしょう。
そして輸入再開のもう一つの条件だった「特定危険部位を除去した肉に限定する」が、2005年12月12日の輸入再開決定からわずか39日(指折り数えられる!)で覆されるとは、日本もなめられたものです。米国にはもともと守る気などなかったとしか思えません。農水省と厚生労働省はわざわざ専門家を派遣して視察していましたが、みなさん何を見てきたのでしょう? 本当に真剣にチェックしてきたのでしょうか? 「ココなら見ても良いですよ」と準備されたところだけを見て終わりにしてしまったのでは、どこかの国の核査察受け入れと同じでは?
不幸中の幸いは、輸入再開からの期間が短かったこと。そして「時期尚早」と言われながらも輸入再開を強行していたこともあり、すぐに輸入停止となったこと。おかげで最悪の事態だけは避けられそうです。
ただ、こうなると次の輸入再開はかなり難しいでしょう。曖昧なままでの再開はいくらお人好しの日本人でも認められないですが、危険が“ないことの証明”は某国の大量破壊兵器がないことの証明と同じで非常に難しいと思います。今度こそしっかりした証明がなければ輸入再開の判断はできないでしょうし、消費者も受け入れないでしょう。...と思いたいのですが、何せ「喉元過ぎれば熱さを忘れる」国民性ですからねぇ。そうじゃなければ先の衆議院選挙のように自民圧勝なんてことにはならなかったでしょうし。(--;) 今回はどのくらいの期間で熱さを忘れるのか、しばらく観察したいと思います。
参考にさせていただいたサイト
「危険部位混入の疑い 米国産牛肉、成田で発覚」だから、よせと言っただろう!
(byぶらっと)
| 固定リンク


コメント
ぷらっとさん、はじめまして。
「JIROの独断的日記ココログ版」のJIROです。
TBありがとうございます。
全く同感です。
最初から、米国は輸入再開の条件(20か月未満、特定危険部位除去)など、守る気はなかったし、
日本政府もそうと知りつつ合意した、ということでしょうね。
「拒否できない日本」も、ここまで来ると国民の生命に関わるのですから、冗談じゃ済まされません。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
投稿: JIRO | 2006年1月21日 (土) 10時36分
JIROさん、コメントありがとうございます。
国民と米国の板ばさみになる政府も辛い立場だとは思いますが、どちらの利益を優先すべきかしっかり自覚して欲しいです。
今回の問題だけでなく、増税の話でも、なんでもかんでも民営化した末の耐震強度偽装問題でも、本当に政府のやることは国民をバカにしていると思います。でも、医療費で国民ばかりに痛みを押し付けられても、目先に郵政民営化だけを提示されると皆が自民党に投票してしまうようでは、バカにされても仕方がないですけどね。(--;)
今回の問題はもとより、小泉後に増税が実施されたとしても、「次の総選挙までにはほとぼりが冷めるから大丈夫」くらいに思っているのでしょう。問題意識を持った人たちがそれを忘れずに、しっかり反対票を投じることができると良いですね。
投稿: ぶらっと | 2006年1月22日 (日) 02時11分