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2006年1月29日 (日)

皇室典範の改正を考える

日本国の象徴に関わる重大な事案が、「郵政民営化」だけを争点にして過半数を得た実績を元に、一首相の独断とも言える状態で決められようとしているように感じます。
ちょっと長いですがNEWS@niftyより全文を引用させていただき、その上で私の考えを整理してみたいと思います。

---------(引用ここから)---------

皇室典範改正案、首相が党内調整を指示(読売新聞)

 小泉首相は27日、首相官邸で自民党の武部幹事長と会い、女性・女系天皇を容認する皇室典範改正案の今国会提出に向け、党内調整を進めるよう指示した。
 首相はこの後、記者団に、「『(今国会に)提出してよく議論していけば、党も協力してくれるだろう』という話をした」と述べた。
 党内に女系天皇への慎重論があることについては、「仮に愛子さまが天皇になられた時に、そのお子さんが男でも(天皇への即位を)認めないということだ。それを分かって反対しているのか」と批判した。
 これに先立ち、武部氏は国会内で青木参院議員会長、片山参院幹事長らと皇室典範改正案の扱いを協議した。
 片山氏は「国民は女系天皇と女性天皇の区別を理解していないのではないか。国民が納得することが大事だ」と述べ、今国会提出にこだわるべきではないとの考えを示した。青木氏や久間総務会長、細田博之国会対策委員長も同調した。
 武部氏は「首相が『今国会に提出し、成立を期す』と言っている」と理解を求めた。

[読売新聞社:2006年01月27日 22時56分]

---------(引用ここまで)---------

このニュースをテレビで見たとき、小泉首相はいつものごとく人を小馬鹿にしたような口調でまくし立てていました。でも、本当に分かっていないのはどちらなんでしょう? 上記ニュースの片山氏の言葉にある「女性天皇と女系天皇の区別」というのを首相はきちんと理解できているのでしょうか。
少なくとも私は、つい先日まで分かっていませんでした。世間一般の国民も区別が付いていない方がほとんどでしょう。「愛子様かわいい~。愛子様が天皇でもかまわないじゃん。」程度の軽い考えなのではないでしょうか。

さて、女性天皇と女系天皇の違いってなんでしょう?
私もこちらのサイト「女性天皇に賛成。女系天皇に反対!」を拝見して初めて理解できたのですが、簡単に言えば皇室の女性が天皇になることと、皇室の女性が一般の男性と結婚してできた子供が天皇になることの違いです。前者は「お父さんが天皇か皇族」ですが、後者は「お母さんが天皇か皇族」ということになります。これは女性を差別しているわけではなく、皇室の正当性を保つためのルールだそうです。
例えば、愛子様が天皇になってそのお子さんが天皇を継ぐのであればあまり抵抗感を感じないかもしれませんが、黒田さんと結婚した紀宮様のお子さんが天皇になるということになったら疑問を感じる方が出てくると思います。
現代ではそんなことはありませんが、大昔には天皇に娘を嫁がせて外戚となることで権力を握った時代もありました。もしその頃に女系天皇が認められていたなら、外戚どころか天皇の実父になれてしまうわけです。
それを一切許さずに1600年も続いている皇室だからこそ、正当性が認められているということだそうです。

多分一般の人はそこまでのことは考えていないと思いますし、あの発言を聞く限り小泉首相の理解も怪しいものです。皇室の正当性が危ぶまれる可能性を理解したうえでの女系天皇容認であれば、彼は「天皇制存続のため」と言いながら、自民党に続いて天皇制も破壊しようとしているのではないかと疑いたくなります。

ここで、私自身が天皇制をどう考えているかを述べさせていただきます。
一番に感じるのは、日本国憲法の第14条に記されている「法の下の平等」に対して矛盾があるということです。法の下で平等であるはずの人のうち、皇室の人だけが生まれながらにして「様」で呼ばれるのはどうでしょう? 一般の人が不況にあえぎながら一生懸命に働き、苦労して生活している一方で、物心つくまえから「○○様」と呼ばれ、仕事にあぶれる心配もなく、旅行に行くときもファーストクラスどころか飛行機丸ごと専用機とはうらやましい限り。その反面、プライバシーも自由もなく、皇室の義務に縛られるのは一般の人には計り知れない苦労を生まれながらに背負わされているということにもなります。
どちらが幸せかということではなく、お互いに平等ではないなと感じるわけです。

戦後GHQの下で新たな日本国憲法を作るにあたり、国民のよりどころである天皇制を残すことに苦労したそうです。でも、それから60年も経った今、多くの国民は天皇制をそれほど意識せずに日常を過ごしているのではないかと思います。「天皇誕生日は休みになるしぃ。」程度でしょう。
ある意味、天皇制がなくなったら生きていけないと言う人はごく少数で、宮内庁の予算がなくなれば税金が下がらないかなぁなんて不謹慎なことを考える人もいるでしょう。そんな時代ですから、ここで大した議論をせずに女系天皇を認めたら、数十年後には天皇制自体が揺らぐことに繋がりかねません。古い体制をぶっ壊すのが大好きな小泉首相は、任期の最後に大変な時限爆弾を仕込もうとしているのかもしれません。
個人的には、「天皇家のお墓だから」と許可が下りない古墳の発掘ができるようになるなら、皇室がなくなるのもありかと。(^^;)

しかしながら、最終的に天皇制を廃止することに繋がるようなことにも関わらず、きちんとした理解に基づいた議論もせずに勢いだけで押し切るのは非常にマズイと思います。女系天皇を認めるにしても、将来的に天皇制を廃止するにしても、国民が理解したうえでの総意であれば否も応もありません。ただ、今のような密室で決めた状態で将来に禍根を残すのは絶対に反対です。

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(byぶらっと)

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コメント

こんにちは。
私も女系天皇と女性天皇の違いがよくわかっていませんでした。
無知によって、小泉の言うことを鵜呑みにしえいたのですが、調べてみると女系天皇と女性天皇では大きな違いがあるのですよね。
不勉強な自分が恥ずかしくなりました。

投稿: 風来坊 | 2006年1月29日 (日) 15時36分

風来坊さん、コメントありがとうございます。
私もつい先週までは違いが分かっていませんでした。
つたない文章で申し訳ありませんが、これをきっかけに一人でも二人でも真実を認識していただければと思い、記事にした次第です。
自民党も、しっかりと国民に真実を告げた上で、改めて議論をして結論を出して欲しいものです。

投稿: ぶらっと | 2006年1月29日 (日) 23時19分

TBありがとうございます。
>皇室がなくなるのもありかと。(^^;)
とおっしゃってらっしゃる方々もこのようにお考えになられているということが本当にうれしいです。
>最終的に天皇制を廃止することに繋がるようなことにも関わらず、きちんとした理解に基づいた議論もせずに勢いだけで押し切るのは非常にマズイと思います。
まさにその通りですね。あるべき民主主義の姿とは思えません。
私は、公平無私な状態で一生をお過ごしになる(お過ごしいただくしかない)皇族の方々は、制約がありすぎて、私利私欲をむさぼることができず、国民の幸せと世界平和を祈念するご存在です。私利私欲まみれで生活を守るため、日々、戦い抜いている一般庶民が、自己中心的に国をぶんどって独裁政治をひかないため、そして、他国を侵略しようとさせないために、世界平和のために、私は必要だと思っているんですが、おっしゃるとおり、どちらが幸せかということではなく、お互いに平等ではないということかと思います。ただ、そいういうご存在が未来の世界平和を考える上で、ヒントになるかもしれないとも私は思っています。本来は、個人の道徳心があれば足りるんですが、そうもいってない。戦争もテロもなくならない。皇室があれば、なくなるというのではないんですが、平和を祈念されているお姿が、なんらかの歯止めになる可能性は残したほうがいい。そんなふうに私は考えています。
長文になってしまい、失礼いたしました。

投稿: レッツら | 2006年1月30日 (月) 21時18分

レッツらさん、こちらこそコメントありがとうございます。
「なくなるのもあり」というのは、今の状況がどれほど大変な事かという極端な例として出してみました。多くの国民が小泉流にだまされて、事の重大さに気づいていないのがもどかしくて。(^^;)
立憲君主制というのも決して悪くないと思います。旅行で訪れたタイでガイドさんに聞いた話では、本当に国王は国民に敬愛されていました。審議は定かではありませんが、王家は独立採算制になっていて、その収益から国民のために道路を作ったりしているとか。王妃のトレードマークが付いた王室製Tシャツなんかも売っていたり。
日本の皇室ももっと身近に日常的に国民の敬愛を集められると良いと思ったことがあります。

投稿: ぶらっと | 2006年1月31日 (火) 00時15分

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